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肩こりの原因というと「腕や肩の使い過ぎ」「姿勢の悪さ」などが思い浮かびます。でも東洋医学からみると少し違った原因が見えてきます。
- 胃腸の疲れ
- 心臓の疲れ
- 肺の疲れ
ちょっと意外ですが、これらと肩こりには深い関係があるのです。
前回の記事(肩こりの意外な原因について)では「胃腸の疲れから起こる肩こり」についてまとめました。今回は「心臓の疲れから起こる肩こり」について書いてみます。
心臓と肩こりの関係とは、どんなものなのでしょうか。すこしずつ見ていきたいと思います。
肩こりと深く関係する鎖骨と肩甲骨
まず前回の記事のおさらいをしてみたいと思います。
肩こりを引き起こす原因として、鎖骨と肩甲骨の動きの悪さに注目しました。
こちらが鎖骨です。胸から肩に向かって走る骨です。
こちらは肩甲骨です。背中の上の方にあります。
肩の筋肉の多くは、鎖骨と肩甲骨に着いていますので、鎖骨や肩甲骨の動きが悪くなると、肩の筋肉が引っ張られて肩こりにつながるのです。
つまり、鎖骨と肩甲骨の動きの悪さ、が肩こりの原因の一つになるのです。
心臓の疲れから起こる肩こり
肩こりは鎖骨や肩甲骨と関係があるようですが、これらと心臓の疲れとはどのような関係があるのでしょうか。ここで、東洋医学で用いられる経絡(けいらく)という考え方から見ていきたいと思います。
経絡については前回の記事で触れています。まとめますと、
- 経絡は全身をめぐるルート
- 経絡は胃腸や心臓などの内蔵から起こる
- 内蔵が疲れてくると、経絡のルート上の筋肉が硬くなったり、皮膚が荒れたりする
というところでした。
(経絡について、こちらも参考にして下さい 経絡とはどんなもの)
これによると、心臓が疲れると心臓の経絡に沿って筋肉が硬くなるということになります。では心臓の経絡はどこを走っているのでしょうか。実際に見ていきましょう。
心臓の経絡
下の図が心臓の経絡です。
心臓の経絡(心経) 出典:新版 経絡経穴概論 医道の日本社 2009年
心臓の経絡は心臓から起こって、脇の下に出てきます。この時に脇の下と肩甲骨をつなぐ筋肉を通ります。そして腕の後ろ側を通って、小指に流れていきます。
これらの筋肉は、肩甲骨を外側や下側に引っ張っています。心臓の経絡はこれらの筋肉と深く関係するのです。
心臓の疲れでも肩こりが起こるのです
ここまで見てきたことを少し整理してみます。
- 肩こりは、鎖骨と肩甲骨の動きが悪くなることで起こる
- 心臓の経絡は、肩甲骨を外側や下側に引っ張る筋肉に入っていく
- 心臓が疲れると、心臓の経絡に沿って筋肉の硬さが出てくる
これらをまとめて考えると、心臓の疲れと肩こりの関係がはっきりしてくるのではないでしょうか。
- 心臓が疲れてくる
- 心臓の経絡に沿って、筋肉の硬さが出てくる
- 肩甲骨を外側や下側に引っ張る筋肉が硬くなる
- 肩甲骨の動きが悪くなる
- 肩こりが引き起こされる
このようにして、心臓の疲れから肩こりが起こるのです。
心臓の疲れとは、どんなこと
前回の記事であった「胃腸の疲れ」は、どんなことか分かりやすいと思います。でも今回の「心臓の疲れ」はどんな状態なのでしょうか。
(ここでは「心臓の疲れ」という言葉を使っていますが、これは医学的に認められたものではなく、私自身が感覚的に使っている表現であることを断っておきたいと思います。)
まず心臓の働きを見てみましょう。
心臓は全身に血液を送り出す働きをしています。ひと時も休まず働いていて、とくに運動などをすると激しく動きます。夜寝ている間はゆっくり動きますので、このときだけ休憩時間ということになると思います。
東洋医学ではこれらに加えて、心の状態との関係を重視しています。ストレスや緊張などの精神的な負担がかかると、心臓の働きが悪くなると考えていきます。
これらから、心臓の疲れには次のようなものあると思われます。
- 激しい運動で心臓が疲れている
- 寝不足で心臓に負担がかかっている
- 精神的なストレスが多い
これらのどれも肩こりと関係を持ちますが、実際に見ていくと、とくに深く関わるのは「精神的なストレス」のように感じます。
- ストレスが多い
- 悩んでいる
- イライラしている
- いつも時間に追われている
- 人間関係などで気を使う
などです。
このように肩こりを引き起こす「心臓の疲れ」とは、主に精神的なストレスになるものと思われます。
実際に肩こりの方を見ていると、職場などの人間関係で悩んでおられる方や、家族の病気などでいつも心が塞いでいる方などが多くおられます。このような方々は、姿勢や血行などの他に、精神的ストレスが原因となって肩こりを引き起こしているものと思われます。
心臓からの肩こり、どんなケアーがいいですか
このタイプの肩こりのケアーは、精神的なストレス解消をうまくしていくことになってきます。
- リラックスできる趣味や習慣を持つ
- 運動などで体を動かす
- 誰かに悩みを聞いてもらう
これらはたまったストレスを発散するよい方法になります。でも根本的にはストレスがたまらないようになるのが一番です。その方法はとても難しいですが、いくつかあると思います。
- 物事にこだわらない
- 何ごとも受け入れるようにしていく
- ゆったりと広い視野で構える
世の中にはいろいろな考え方がありますし、自分の考えや趣味に合わないこともあると思います。あまりこだわらずに、山のようにゆったりと構えて、何ごとも笑顔で受け入れられるようしていくのが理想だと思います。
といっても、そんなにうまく行かないのが現実です。環境が変わらない限り解消できないストレスも多くあるのではないでしょうか。
そのような場合は、せめてストレスを発散する方法を考えて、あとは対症療法的にマッサージやストレッチで肩こりを解消して行くのが現実的かもしれません。
まとめ
今回は「心臓の疲れ(ストレス)」で起こる肩こりについて見てきました。
- 肩こりは鎖骨や肩甲骨の動きの悪さから引き起こされる
- 心臓の疲れ(精神的ストレス)から肩甲骨の動きが悪くなり、肩こりとなる
- ストレスを発散したり、ストレス自体を減らすことで、肩こりを解消できる
- ストレスの処理は難しいので、マッサージなどの対処法で様子を見るのが現実的
ストレスの処理は簡単ではないと思います。実際には、マッサージなどで様子を見ていくのが良いのかもしれません。そのうちに職場環境が変わったり、悩みの原因が無くなったりして、ストレス自体が減り、肩こりが楽になることもよくあります。
ストレスから肩こりが起こる、ということはいろいろな所でいわれていると思います。でもどうしてそうなるのかについて、具体的な内容が語られることは少ないのではないでしょうか。東洋医学で見てみると、そのあたりのことが少し分かりやすくなります。
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