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もうすぐ梅雨も明けて、暑い夏がやってきます。
ここ数年、夏になると熱中症の話をよく耳にします。
暑さも年々激しくなってきて、だんだんと他人事では済まされなくなってきました。
熱中症の予防について、テレビやもちろんインターネットでも多くの情報があります。
どれもとても参考になりますので、これらをしっかり読んで、日頃から気をつけて行くのが良いと思います。
そしてこのブログでは、東洋医学からみた熱中症の予防について考えてみたいと思います。
熱中症を東洋医学ではどう見ていますか
熱中症はどのような状態かというと、「体に熱がこもって、身体の機能が損なわれた状態」ということになるとます。
症状にも色々とあり、軽いものであれば筋肉のけいれん・めまい・顔の火照りなどです。
でもひどくなると、呼吸困難・意識障害などもあり、命の危険にさらされることもあるのです。
熱中症について東洋医学ではどのように考えるのでしょうか。
実は古典にも少し書かれていて、「暑さに傷つけられた者は、汗を多くかき、気力がなくなり、呼吸が短くなり、ひどい場合は気を失って倒れる」といったところです。
現在の捉え方と同じですね。古い時代にも熱中症はあったようです。
熱中症の原因について、西洋医学では、汗をかきすぎて体内の水分が少なくなることと、それによって体温が下げられなくなって、内臓や脳が正しく働かなくなる、という具合に考えていきます。
東洋医学ではそこまでの記述はないのですが、外から入ってくる「暑さ」というダメージ(暑邪:しょじゃ)によって体が傷つけられる、という捉え方をしていて、汗をかきすぎて体力がなくなってしまうことも関係すると考えているようです。
どちらも、熱が体にたまっていることと、汗をかき過ぎることに注目しているように思われます。
では熱中症を予防するにはどうすればよいでしょうか。
ざっくりと、体に熱がたまらないようにしていくことが第一だと思われます。そして汗で失われた水分と電解質の補給をしていくことも大切です。
そのあたりについて、東洋医学からの対処法を考えてみます。
体に熱をためない
体に熱をためないようにするためには、熱を発散させるしかありません。
熱を発散する体の働きについて、以前少し触れたことがあります。(梅雨時の体のケアー 湿度と身体の関係について)
それによると、気温が高くなると実際のところはほとんど汗による放熱に頼ることになるのです。
やっぱり汗をかいて体温を下げるしかないのですね。汗をかき過ぎるのも問題、と先程書いたばかりなのですが。
汗をかきすぎると体内の水分が少なりますし、また東洋医学では汗をかくことも正気(せいき:私たちの体を動かすエネルギー)を消耗すると考えますので、あまり望ましくはありません。
ですが、体内に熱がこもらないようにするためにはしっかり汗をかく必要があるようです。
そのためには何が大切になるかというと、「毛穴が正しく働いていること」「汗の材料があること」の二つだと思います。
毛穴が正しく動くためには
毛穴が正しく…というと意外に聞こえるかもしれませんが、毛穴がうまく動かないということも珍しいことではないのです。
毛穴が正しく動いている場合は、汗を出すために開いたり、出さないために閉じたりしています。
ですがこれがうまくいかなくなると、閉まったまま汗が出なかったり、開いたままダラダラと汗が流れ続けたりします。
運動しても汗の出ない方や、少し動いただけでダラダラと汗が出続ける方もおられます。もしかすると、毛穴の働きが悪くなっているのかもしれません。
毛穴を正しく動かすには、次のような点に気をつけると良いと思います。
肺の働きを良くする
東洋医学では、毛穴を含めて体表の働きを管理するのは肺と考えています。肺がきちんと動いていると、毛穴の開け閉めもうまくいくのです。
実際に肺に正気を増やすと、汗をかくべきところにじわっと汗が出てきたりします。
そして肺をいたわるには、「体表を冷やさないようにする」「鼻呼吸を心がける」「汚れた空気を吸わないようにする」などに気をつけていくと良いと思います。
毛穴(体表)に正気が巡っていること
次に大切なのは、毛穴(体表)まできちんと正気が送られていることです。肺が正しく動いていても、毛穴まで正気が届いていないと、毛穴は動きません。
これは全身の気や血液の巡りと関係してきます。心臓、肺を中心に全ての内臓が関わってきますし、関節など気の巡りを妨げやすい部分での、経絡(けいらく:経絡とはどんなもの)の流れが良いことも必要となります。
定期的に運動をして筋肉や関節の詰まりをなくしておくことや、整体や鍼治療で経絡の通りをよくしておくと良いと思います。
そして普段から正気を多く含むものを食べるようにすることも大切です。(エネルギー(正気)を増やす食事とは)
汗をかく習慣
これらに加えて、運動などで汗をかくようにしておくことも大切です。実際に毛穴を動かしておくのです。
私たちの体は、よく使われる部分には正気を多く送るようになっています。汗をかく習慣を持っておくと、きちんと毛穴も動いて必要な時に汗をかくことができるようになります。
汗の材料を用意しておく
毛穴が正しく動いても、汗の材料がなければ汗は出てきません。きちんと補給するようにしましょう。
水分をとる
これはよく言われることですよね。特に夏場は大切です。
量は人により、考え方により様々ですが、食事以外に最低1リットルは摂るといいでしょう。
水分といってもアルコールはカウントされません。コーヒーも残念ながらカウントされないように感じます。お茶かお水と考えておいてください。
そして消化器をいたわるために、出来るだけ体温よりも温かい状態でとるようにしていきます。飲みにくかったらせめて常温のものにして下さい。
冷えたものをとり続けると消化器がうまく働かなくなり、せっかく飲んだ水分を吸収できなくなってしまいます。
消化器をいたわる
暑くなるととにかく冷えたものが欲しくなります。冷えた飲み物やかき氷やアイスクリームなどです。
運動などで屋外にいる時はともかくとして、クーラーの効いた室内にいるのに、冷えたものを取り続けるのは、消化器への負担が大きいように思います。
消化器が正しく動かなくなると、汗の材料である水分も吸収できませんし、それ以前に身体に必要な栄養素もとれなくなります。
普段は冷たいものを避けて、体温よりも温かいものをとるようにします。そうしておくと、時々冷えたものでスッキリするのも大きな負担にはならないと思います。
冷たいものをとりがちな夏場こそ、消化器をきちんといたわりましょう。
電解質をとりましょう
これもよく言われていることです。汗とともに電解質が失われますので、その分補給する必要があります。
簡単なのは水分とともに、塩を舐める方法です。この時の塩は、精製塩ではなく海水から作った自然海塩がおすすめです。
また、あらかじめ電解質を含んだ経口補水液を作っておくと良いと思います。
作り方は簡単です。
- 水 500ml
- 砂糖 20g
- 塩(海水から作られたもの) 1.5g
をペットボトルに入れてよく混ぜれば完成です。最初は砂糖と塩を別容器でお湯でとかしてから、混ぜるとよいと思います。
お味の方は、それほど美味しくはないですが…、簡単にできるので重宝すると思います。
市販のスポーツドリンクや経口補水液でもいいのですが、余分な糖質をとることになるので、手作りのものをお勧めします。もちろんお財布にも優しいので。
まとめ
今回は熱中症について、東洋医学の見方から考えてきました。
- 熱中症を防ぐために、きちんと汗をかいて体に熱をためないようにする
- 運動する習慣を持ち、汗をかける体づくりをしておく
- 肺や消化器をいたわることや、水分や電解質をきちんと取るように心がける
夏の暑さ、年々厳しくなってきているようです。本格的に暑くなる前から、少しずつ準備をしていくのも良いかもしれません。
熱中症にならないように体調を整えて、楽しく活動的な夏にしてください。
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