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東洋医学は紀元前の中国で生まれたと言われています。
その東洋医学で伝えられていることが、現在の西洋医学で考えても「なるほど」と思えるような場合があります。
古代の中国の人たちが現代の解剖学や生理学を知るはずはないのですが、経験的でしょうか、よほど鋭く観察をしていたのでしょうか、なぜか分かっていたようです。
こういったことに出会うと、とても不思議でもあり、興味深いものです。
今日はそんな例を二つ挙げてみたいと思います。
※東洋医学には様々な考え方があります。この記事の内容は、現在の当院独自の考えであることをお断りしておきます。
解毒のツボ「築賓(ちくひん)」
古くから伝えられているツボのなかに、築賓(ちくひん)と呼ばれるものがあります。
築賓は足の内くるぶしの上10センチ位のところにあって、解毒の作用があるとされています。
西洋医学で解毒というと肝臓が思い浮かびます。肝臓にはいくつか大切な働きがあって、そのうちの一つが解毒です。
体に入ってきた有害な物質を無害化する、とても大切な働きです。
ではこの築賓と肝臓にはどのような関係があるのでしょうか。
まず思い浮かぶのは、築賓が肝臓の働きを活性化する作用を持つ、ということです。
この考えはどうなのかというと、私は正しいように思っています。
肝臓の働きを活性化するために、私は肝臓に直接つながっている(と思われる)ツボをよく使うのですが、このツボは築賓の近くにあるのです。
「築賓の近くということは築賓そのものではないの」と思われるかもしれません。
その通りで、残念ながらいまの教科書に載っている築賓は、肝臓への働きはあまりないように感じます。
でもツボの位置は時代によっても変わっていますし、そもそも古典には曖昧にしか書かれていないので、解釈する人によっても全然違ってくるのです。
かつて築賓を解毒のツボと呼んだ人たちは、もしかすると私が使っている肝臓のツボのあたりを築賓としていたのかもしれません。
そのように考えると、築賓=肝臓のようにも思われるのです。
先人たちが肝臓の解毒の働きを知っていたとは思えないのですが、築賓あたりに解毒作用を活性化するツボがあることは知っていたということです。
ちょっと興味深い話だと思います。
(ツボについてはこちらもご覧下さい ツボとはどんなものですか
眠りのツボ「失眠(しつみん)」
失眠は前回の記事にも書きました。眠りに関するツボです。日常使えるよく効くツボ
失眠を触ると眠くなるのです。
こういうツボはなかなか便利です。眠れない時にうまく使うと、眠ることができるのです。
先日我が家の4歳の子供が夜中に起き出して、なかなか寝てくれなくて困ったことがありました。
ごそごそ動くし、ペチャクチャしゃべるしで、眠たいのに寝かせてもらえない。ほとほと参っていました。
そこで思い出したのが、この失眠です。
失眠はかかとの辺りにあるのですが、そこにツボを刺激するシール貼りました。
すると、10分ほどでスヤスヤと寝てくれました。
失眠を押すとどうして眠くなるのか、それは失眠が松果体につながっている(と私は考えています)からです。
眠りに関することはまだまだ分からないことが多いのですが、いまのところ脳の真ん中あたりにある、松果体という器官が関係していると考えられています。
松果体はメラトニンというホルモンを放出するところです。メラトニンによって私たちは眠くなるのです。
失眠を触ると松果体に刺激が入り、メラトニンが放出されて眠くなるというわけです。
先程と同じですが、古代の人が松果体やメラトニンを知るはずはありません。でもかかとのこの辺りを触ると、なんだか眠くなるね、ということには気づいていたということです。
本当に鋭い観察力だと思います。
まとめ
東洋医学を作った人たちは、現代の西洋医学のような、正確で細かい解剖学や生理学を知るはずはありません。
観察力がとても鋭かったのか、また体の感覚が敏感で、ツボの反応が強く表れたのでしょうか。
現在のように科学が進んで、体のいろいろな器官やそのはたらきが分かってくると、昔の人が見つけたツボがどのようにして効いているのかが見えてきて、とても興味深いと思います。
東洋医学をひもとくと、西洋医学で見ても矛盾がなく、効果が期待できそうな治療法や考えに出会うことがあります。
そういったものが本当に信頼できるものだと感じています。
東洋医学で伝えられていることをそのまま鵜呑みにせず、新しく分かってきたことと照らし合わせて、本当に効きそうなものを見つけていくことは大切だと思っています。
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