スポンサーリンク

鍼灸治療で使われるツボはたくさんあるのですが、その中でもよく効くツボがいくつかあります。
逆にいうと、あんまり効かないツボもあるということなのです。
でも、よく効くツボがどうして効くのかというと、それにはちょっとした理由(というほどでもないのですが)があるように思います。
今日はその理由と、普段から使えるよく効くツボをいくつか紹介してみたいと思います。
ツボは内臓とつながる優先路
ツボがどのようなものか、以前投稿したことがあります。ツボとはどんなものですか
それによると、「ツボは体の中のいろいろな部分に直接つながるルート」というものでした。
あるツボにさわると、そのツボがつながっているところに直接刺激を入れることができるのです。本当に優先路みたいです。
上の図は先の投稿にも載せていた図ですが、胃の経絡を簡単に示したものです。
赤い丸が優先路を持つツボで、胃や、大腸などに直接つながっています。
体にはたくさんのツボがあります。私が鍼灸学校に通っていた頃には、教科書には365個のツボが載っていました。
この数はおそらく昔の中国の人が、一年の日数に合わせてまとめたもので、実際はこの他にもたくさんのツボがあります。
このようにたくさんあるツボの中で、全部がよく効くかというとそうではなく、限られたいくつかのツボが本当によく効きます。
ではよく効くツボとあまり効かないツボの差は何かというと、それは単純に、つながっている部分へどれだけ深く関係しているかだと思います。
優先路の幅というか、パイプの太さが太ければよく効きますし、そうでなければ余り効かない、ということになります。
日頃使えるよく効くツボ
ではよく効くツボにはどんなものがあるでしょうか。いくつか紹介したいと思います。
足の三里
足の三里(あしのさんり)はとても有名ですね。耳にされたことがある方も多いでしょう。
足の三里はお腹の不調によく効きます。もっと詳しくいうと胃の痛みなどです。
どうして効くのか、それは足の三里が胃に直接つながるからです。
足の三里を触ると、胃に正気(せいき:私たちの体を動かすエネルギー)が増えていきます。そして胃の働きが正しくなるのです。
胃がうまく動いていないときはきちんと動き出しますし、変なものを食べてしまい、体の外に出さなくてはいけないときは、嘔吐感が出てきて口から排出してくれます。
足の三里は昔からよく使われるツボです。「肚腹三里留(とふくさんりにとどめ)」といわれ、「お腹の問題は三里を使いましょう」と伝えられています。
本当に胃との関係が深いのだと思います。
委中
委中(いちゅう)は腰痛によく効きます。委中が腰の骨につながっているからです。
委中の触り方をうまく調節すると、腰椎の1番〜5番まで選択的に正気を集めることができます。
委中も古くからよく使われています。「腰背委中求(ようはいいちゅうにもとむ)」といわれ、「腰と背中の問題は委中を使いましょう」と伝えられています。
でも背中はちょっと違うと思います。背中は他によく効くツボがあります。腰にはいいと思いますが。
血海
血海は月経時のさまざまな体調不良によく効きます。下腹部や腰の痛みから、体のだるさや倦怠感など、血海をうまく刺激することで取り除くことができます。
では血海はどこにつながっているかというと、子宮や卵巣などの女性生殖器です。
血海を刺激することでこういったところへ正気を集めることができ、これらの働きが正しくなるのです。
月経に辛さを感じておられる方は、一度試してみてください。
失眠
失眠は眠りに関するツボです。失眠を刺激すると眠くなるのです。
ツボを刺激して眠くなるなんて不思議な感じがしますが、詳しく見るとなるほどという気がしてきます。
失眠がどこにつながっているかというと、脳の中の松果体と呼ばれるところです。
松果体は脳の中心の少し後側にあって、眠くなるホルモン(メラトニン)を放出する器官です。
失眠をうまく押してあげると松果体に刺激が入って、眠くなってきます。
夜なかなか寝付けない方は、上手に使っていくと良いと思います。
まとめ
鍼灸で使われるツボの中にはとてもよく効くものがいくつかあります。それらについて見てみました。
- ツボは体のある部分につながる優先路
- よく効くツボはその部分と強くつながっている
また普段から使うことができる、よく効くツボをいくつか紹介しました。
日常起こるさまざまな体の悩みですが、薬を飲んでもいいのですが、できれば自分の体を調整することで乗り切ったほうがいいと思います。
そういったときにツボは役に立ってくれるものです。皆さん是非試してみて下さい。
この記事がなにかの参考になりましたら、投票をお願いいたします。
この記事もよく読まれています
スポンサーリンク